blog
不動産を売却した場合、基本的には確定申告が必要になります。この記事では、確定申告がどのような場合に必要であるか、確定申告が必要な場合の流れや書類の準備などについて解説します。
目次
不動産を売却したときの確定申告の必要性は、利益が出たか出ていないかがひとつのポイントです。さらに条件などによっても必要性は異なるため、詳しく解説していきます。
不動産を売却し、利益(譲渡所得)が出た場合は、確定申告が必要となります。利益額に応じて税金を納める必要があるためです。譲渡所得とは、売却額から不動産の取得費用や諸経費を差し引いた額であり、給与などその他の所得とは別に課税されます。
一方、不動産を売却して損失(譲渡損失)が出た場合は確定申告は必要なくなります。ただし、一定の要件を満たすことで損失に対する控除などの特例を受けられるため、損失を最小限に抑えることを目的に確定申告をします。
【おもな税金の特例】
・居住用財産の3000万円特別控除
マイホームを売却し一定の要件を満たすと、譲渡所得を3000万円まで控除を受けられる制度です。
・譲渡損失の損益通算及び繰越控除
損益通算は給与などその他の所得と相殺でき、繰越控除は損失額がその年の所得よりも上回れば、翌年度から最長3年間、損失分を繰り越して計算できる制度です。
そのほかにも売却した不動産が相続した場合など、条件によって各種特例があります。
不動産を売却したあとの、確定申告の流れについて解説します。
1.必要な書類の準備
必要な書類の詳細は後述しています。
2.譲渡所得額を計算する
譲渡所得額は、売却した利益から、不動産の取得にかかった費用と譲渡にかかった費用を差し引いた額です。
3.確定申告書に記入
確定申告書は、税務署または国税庁のサイトからダウンロードできます。またオンライン上で入力することも可能で、必要事項を入力すると自動で計算もしてくれるため便利に資料作成が行えます。
4.税務署に提出する
必要書類を揃えたら、税務署に提出します。持参または郵送でも可能であり、オンライン上での申請もできます。
◆不動産売却後の確定申告で必要な書類
不動産売却後、確定申告にて必要な書類を一覧でご紹介します。税務署で入手できる書類と自身で用意する書類があります。
・確定申告書
・確定申告書第三表(分離課税用)
・確定申告書付表兼計算明細書
・不動産売買契約書(売却時のもの)コピー
・不動産の売却にかかった費用の領収書コピー
・不動産売買契約書(購入時のもの)コピー
・不動産の購入にかかった費用の領収書コピー
・不動産(注文住宅の場合)の建築時の請負契約書
・登記事項証明書(法務局にて購入する)
・本人確認書類
・源泉徴収票(給与所得者の場合、源泉徴収票の情報を転記する必要がある)
・その他、特例措置に必要となる書類
不動産を譲渡する際や購入する際は、さまざまな経費がかかります。忘れずに計上することで、支払う税金を軽減することが可能になります。
不動産の売却のために支払った費用として、経費計上が認められているものには下記が挙げられます。
・売却時の仲介手数料
・土地の測量費用
・売買契約書の印紙代
・貸家の売却に伴い入居者へ支払った立ち退き料
・建物の解体費用 など
不動産の取得には、購入代だけでなく多くの費用がかかります。取得費用にできるものは下記です。
・土地購入代金
・建物取得費用
・仲介手数料
・不動産取得税
・登録免許税・登記手数料
・売買契約書の印紙代
・建物に付随する設備費・改良費
・建物等の取壊し費用
・借り入れ金の利子や保証料(借入日〜所有開始分)
・締結された購入契約を解除するための違約金
・所有権確保のための訴訟費用(遺産分割は除く) など
不動産売却に関する確定申告について解説いたしました。不動産売却によって、利益(譲渡所得)があった場合には必ず確定申告が必要です。また損失(譲渡損失)が出た場合にも、確定申告をしておくことで、減税などの特例措置を受けられるようになります。いずれにしても経費として計上できる費用の抽出や書類の準備には時間がかかるため、余裕を持って進めていきましょう。